浸透圧について!

清水金魚

2013年05月27日 17:49


春が待ち遠しいかと思えば、もう初夏に近い気温になっている今日この頃ですが、気温の上昇により魚の鼻上げの光景を目にする機会が多くなると思いますが、
酸欠の原因では無い鼻上げについて説明致します。



すこし難しい話です。

      ―浸透圧と魚についてー


みなさん良く金魚が調子を崩した時や、鼻上げなどを起こしたときなど水槽の中に塩を入れたりしますね。

この行為は塩のよる殺菌作用を期待して入れている方が多いと思います。実は違うのです。

金魚などの淡水魚は鰓(エラ)と腎臓(じんぞう)で常に取り込んだ水分によって、体内の老廃物アンモニアを排出しています。

腎臓では血液の中の白血球も作られています。
この体液の濃さを調節することにより、排出を調節しているのです。


ここで問題なのが浸透圧です。

浸透とは、物質が膜壁を通して他方へと浸透拡散することをいいます。
その物質間の圧力差を浸透圧といいます。

海水魚はつねに体内から水が外に浸透して奪われているのです。
海で長時間泳いでいると体内の水分が奪われ、のどが渇くのがそれです。

淡水魚の場合つねに外から体内に水は浸透しています。
ずっと水いじりをしていると、手がふやけてプヨプよになってしまうのが、水が入りこんだと言うことです。

新しい水では特に顕著で、その流れで腎臓をより活発に活動させてしまいます。

水分が多くなるのですから体内の血液も薄められる危険にさらされるのです。

血液が薄くなれば酸素を運ぶ赤血球の中のヘモグロビンも薄くなり体内にとりこまれる酸素の量も少なくなり、水中の溶存酸素量は十分あるのに酸欠の用に鼻上げを起こす・・・そんな現象になります。


またそのほかに老廃物を含んだ血液は腎臓でろ過され、尿の元をつくり、体内に必要な塩類は戻すと言う浸透圧とは逆の作業をしています。


この作業が生きる為に不可欠であり、かなり負担がかかるのです。

これが環境が変わったり、水質変化、水温変化などによるストレスがある場合は上手く機能できなくなるのです。

ここで、最初の塩を飼育水に入れる行為が、浸透圧を調節して、魚の体内に入り込む水を減らし、腎臓の機能を少し休ませてあげるコトになり、それが体力、体調回復につながるのでる。

塩を入れる事は、すぐ効くのは炭酸塩硬度を上げてPHの急激な変化を抑えること。


1日を見れば、浸透圧を調整して、腎臓や、鰓の働きを助ける作用があり、血液の薄まるのを防ぎ、十分な酸素を体内に送る事が出来るのです。

新しい水や環境が変わった場合は、腎臓などに絶えず水が送り込まれ余計な運動をフルにさせられてしまうのです。

深いんです。

難しい話になってしまったのですが、要点は水量に対して魚の飼育数が明らかに多い時意外は魚が鼻上げをしても、調子を崩しても安易に新しい水に変えてはいけないと言う事です。

by シャドウマウンテン 


 

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